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よく分かる!ルール教室 / 元日本野球規則委員 千葉功

無死走者二塁で捕手による打撃妨害。しかしプレーが継続され、バントが成功で一死三塁に。妨害行為で無死一、二塁では?【後編】

 

無死走者二塁で打者はバントの構えです。ここで捕手による打撃妨害(インターフェア)がありながら、ここではプレーが継続され打者はバントを成功させました。なお、打者は一塁でアウトを宣告されています。結果的に一死三塁で次打者を迎えてプレーが続けられていますが、打撃妨害で無死一、二塁ではないのですか。

 前号(11月20日号)では、このようなケースの場合、攻撃側チームの監督に選択する権利が与えられていて、「あえて一死三塁を選んだものと考えられる」と説明しました。ただし、いつまでも攻撃側の監督に選択する時間が与えられているわけではありません。野球規則5.05の(b)(3)【注1】には以下のようにも定められています。

「監督がプレイを生かす旨を球審に通告するにあたっては、プレイが終わったら、ただちに行なわなければならない。なお、いったん通告したら、これを取り消すことはできない」

「問」のケースとは異なりますが、走者三塁でその走者が盗塁、またはスクイズで得点をしようとした場合の打撃妨害についてはこれとは別に6.01(g)に定められています。

「三塁走者が、スクイズプレイまたは盗塁によって得点しようとした場合、(中略)投手にボークを課して、打者はインターフェアによって一塁が与えられる。この際はボールデッドとなる」

 もちろん、三塁走者にはボークにより1個の進塁が認められ、得点となります。ただし、三塁走者がスクイズや盗塁で得点を試みていなかった場合には、5.05の(b)(3)【注2】にあるように「ボールデッドとし、打者に一塁が与えられ、そのために塁を明け渡すことになった走者は進塁する。盗塁を企てていなかった走者と塁を明け渡さなくてよい走者とは、妨害発生の瞬間に占有していた塁にとめおかれる」こととなります。[文責=編集部]
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元日本野球規則委員・千葉功による野球ルールコラム。

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