11月3日の東京六大学野球新人戦(1、2年生が出場)の3位決定戦で、立大の赤塚瑞樹投手が両投げを披露して球場を沸かせました。左打者が2人続く場面でしたが、最初は右で投げ、その後5人の打者と対戦した後、左打者のときに左腕にスイッチしました。両投げの投手には特別な規則がありますか。 両手投げ投手に関しては、“投手”について規定した野球規則5.07内の(f)に細かく定められています。まず
「投手は、球審、打者および走者に、投手板に触れる際、どちらかの手にグラブをはめることで、投球する手を明らかにしなければならない」とあります。両手投げだからといって、モーションに入るまでどちらの手で投げるか分からない(※両手投げの場合、両手投げ用のグラブを使用する例が多いので、グラブの形状では判断ができない)、というのを防ぐための規定で、そもそも、打者を欺く行為を抑止するためにボークもあるのですから、当然ですね。
また、両手投げの投手対両打ちの打者の場合、左対左、右対右を投手側が求め、打者側がこれを嫌って、投手は投げ手の変更を、打者は打席の変更を繰り返すと、永遠にプレーが始まらないことを防ぐため、以下のように続きます。
「投手は、打者がアウトになるか走者になるか、攻守交代になるか、打者に代打者が出るか、あるいは投手が負傷するまでは、投球する手を変えることはできない」 ただし、“両投げ投手”ですから、例えば右手がダメでも左手があるわけで、負傷した場合は投げ手の変更は認められており
「投手が負傷したために、同一打者の打撃中に投球する手を変えれば、その投手は以降再び投球する手を変えることはできない」とあります。
ちなみに、
「投手が投球する手を変えたときには、準備投球は認められない」ともありますので、あらかじめ準備しておく必要がありますね。[文責=編集部]