Aチームの攻撃は六番からのはずでしたが、勘違いした七番打者が打席に立ち、2ボール1ストライクのカウントで攻撃側チームが誤りに気付きました。この場合の処置は？また、守備側からのアピールであれば打者はアウトになるのでしょうか。

　攻撃側、守備側、どちらが打順の誤りに気付いたにせよ、正規の打者である六番打者が、2ボール1ストライクのカウントを引き継いで、打席に立つこととなります。この場合、打順の誤りによるペナルティー(アウト)はありません。

　打順の誤りについては野球規則6.03(b)に細かく定められており、(2)には「不正位打者の打撃完了前ならば、正位打者は、不正位打者の得たストライクおよびボールのカウントを受け継いで、これに代わって打撃につくことはさしつかえない」とあります。

　ペナルティー(アウト)が課されるのは、同じく6.03(b)(1)にある次のケースです。

「打順表に記載されている打者が、その番のときに打たないで、番でない打者(不正位打者)が打撃を完了した(走者となるか、アウトとなった)後、相手方がこの誤りを発見してアピールすれば、正位打者はアウトを宣告される」

　打順を誤って打席に立っただけでペナルティーを課されると勘違いしている方が多いようですが、あくまでも打席を完了した場合のみで、打席中は正しい打者と代わることができるのです。なお、打撃が完了した場合については6.03(b)(3)に「不正位打者が打撃を完了したときに、守備側チームが“投手の投球”前に球審にアピールすれば、球審は(A)不正位打者にアウトを宣告する。(B)不正位打者の打球によるものか、または不正位打者が安打、失策、四球、死球、その他で一塁に進んだことに起因した、すべての進塁および得点を無効とする」とあります。(次号に続く)[文責=編集部]