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よく分かる!ルール教室 / 元日本野球規則委員 千葉功

高校野球の延長タイブレークで先発した投手が延長16回表に規定により交代。どのようなルール?

 

高校野球のタイブレークのルールについてです。今夏の高知大会の2回戦・高知東高対高知高専は、1対1で延長12回を終え、13回からタイブレーク方式に移行しました。タイブレークでは15回まで両チームとも無得点で、延長は16回に突入しましたが、ここまで1人で投げてきた高知高専の先発投手が16回の表から交代しました。規定で変わらなければならなかったそうですが、まだ投球数制限がない中(高知高専の投手は234球を1人で投げていました……)で、どのようなルールなのですか。

 まず高校野球のタイブレークについて説明したいと思います。

 甲子園では2018年の春のセンバツから導入され、その後、現在は夏の選手権のほか、春、夏、秋の各都道府県大会、各地区大会でも一律で実施されています。延長12回終了時に同点の場合に13回からタイブレーク方式に移行、無死一、二塁の継続打順で行われ、1イニング(表裏終了)ごとに点差がついた時点で試合終了となります。

 15回終了時点で決着がついていない場合、試合はそのままタイブレークで続行されますが、球児を守るための規定として「1人の投手が投げられるイニングは(1試合で)15イニング以内」と定められており、質問のように高知高専の先発投手が15回まで1人で投げていたため、この規定に則って交代となりました。

 タイブレークが高校野球の公式戦で行われるようになって以降、昨夏の福井大会の藤島高対丹生高と、岐阜大会の大垣養老高対岐南工高の15回がこれまでの最長で、甲子園では昨夏の1回戦・佐久長聖高(長野代表)対旭川大高(北北海道代表)の14回が最長となっていたため、公式戦でこの規定が初めて適用されたことになります。なお、試合は延長16回表に代わった高知高専の3投手が7点を失い、8対1で高知東高が勝利を収めています。[文責=編集部]
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元日本野球規則委員・千葉功による野球ルールコラム。

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