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よく分かる!ルール教室 / 元日本野球規則委員 千葉功

投手と捕手の打ち合わせやピンチの際など守備側チームがマウンドに行くが、その回数に制限はある?

 

プロ野球などを見ていると、マウンドに捕手が駆け寄って打ち合わせをしたり、ピンチやボールが続くような際に野手がマウンドまで行って声を掛けるシーンを目にします。ダグアウトから監督、コーチが行く場面もありますが、マウンドに行く回数に制限はないのでしょうか。

 マウンドに行く回数は、野球規則5.10に定められています。同規則の(m)(1)に「投手交代を伴わないでマウンドに行くことは、9イニングにつき1チームあたり5回に限られる。延長回については、1イニングにつき1回、マウンドに行くことができる」とあるように、基本は5回と考えていいでしょう。その回数となる基準ですが、これは同規則の(m)(2)に「監督またはコーチが投手と話すためにマウンドに行った場合、回数に数える。また、野手が投手と話すために守備位置を離れた場合や、投手が野手と話すためにマウンドを離れた場合も、位置や時間にかかわらず回数に数える」とあります。なお、例えばすでに選手同士でマウンドで行われている話し合いに、コーチや監督が加わっても、それは新たな回数には含まれないこととなっています。ただし、監督またはコーチが、同じイニングで同一投手のもとへ2度行くと、自動的にその投手は試合から退かなければなりません。

 なお、1試合で決められたマウンドに行くことができる回数を使い果たしたあとに、捕手が出したサインについて投手と意思の確認ができていないことが明らかな場合、捕手からの要請があれば、球審の判断で少しだけマウンドに行くことを認めてもよい旨、同規則の(m)(3)に定められています。

 なお、ここで紹介したものを含め、5.10の(m)の項目の規定について、日本では所属する各団体の規定に従うこととなっています。[文責=編集部]
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元日本野球規則委員・千葉功による野球ルールコラム。

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