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関根智輝(城東高・投手) “都立の星”に品行方正の最速144キロ右腕

 

全国舞台にはまだ縁がない。数多のドラフト候補の中にあっては、最速144キロや通算5本塁打という数字も霞んでしまうのかもしれない。だが、この関根智輝という18歳には比類なきパーソナリティーがある。“都立の星”城東高のエースの素顔に迫ると、応援せずにはいられなくなる。
取材・文・写真=大久保克哉(ヒットエンドラン編集長)

変化球の種類と精度が増したことで、今春は投球の幅が一気に広がった。迎える高校最後の夏は最速144キロの更新も期待される


どこからどう切っても「称賛」される18歳


 センバツに出場した関東一高と、シーソーゲームを展開した今春の東京都大会準々決勝。神宮第二球場には、プロ4球団のスカウトの姿もあった。先発完投に1本塁打した関根智輝は、人間性を伴う将来性も十分に評価されたことだろう。

 言うなれば「泰然自若」。自らの与四死球で天を仰ぐことはあっても、仲間のミスで肩を落とすようなことが決してない。

「関根みたいな子はめったにいませんね。野球選手としてだけではなく、人として非の打ちどころがないんですから」と、評するのは葛飾区立新宿中の野球部時代の恩師、五十嵐智哉先生だ。

 年子の兄2人が所属する中学野球部で、関根は1年夏から背番号1を着けた。

「もともと体が大きくて球も速かったのが、2年冬のトレーニングを頑張って、さらに磨きがかかりましたね」(同先生)

 それでも中学時代の実績といえば、有志の大会「わかば杯」での優勝くらい。最後の夏も地区予選で散ったものの、感情的になったり、誰かを責めるような言動はついに見せることがなかったという。

 高校生となった関根についても、異口同音に称賛の声しか聞かれない。野球部の近津実部長はこう語る。

「野球だけやって授業中に寝るなんて、関根にはありえません。勉強も校内トップクラスで、英国数などの主要教科だけではなく、音楽や美術の授業でもひたむきに取り組む。それが職員室でも話題になるほど」

 そうした「品行方正」も人目を意識して励むようでは本物ではないし、いずれ化けの皮もはがれよう。この関根は18歳にして、どこからどう切っても最終的にこの一語に行き着くのだ。

“非の打ちどころなし!”

 当の関根とすれば、生き方は何ら変わっていないのに、ここに来ての取り巻く世界の急変に多少の困惑もあるようだ・・・

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