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中居正広のとことん野球好き!!

中居正広コラム第43回 オリンピックイヤーの幕開け

 

プレミア12で頂点に立った侍ジャパン。ここで得た経験値が東京オリンピックの舞台でもきっと生きてくると僕は思っています


 皆さん、あけましておめでとうございます!!

 2020年、東京オリンピック・パラリンピックイヤーの幕開けですね。野球もオリンピックの正式種目としては3大会ぶりに復活するということで、セ・パのペナントレースとともに楽しみでなりません。しかも昨年の11月に東京オリンピックの予選を兼ねて行われた「プレミア12」では稲葉篤紀監督率いる侍ジャパンが見事に優勝。僕も目の前で歓喜の瞬間を見ることができて、本当にグッと込み上げてくるものがありました。

 でも、ド素人の僕と違ってさすがプロだなあと思ったのは、首脳陣はもう次の戦いを見据えていたということです。優勝した後、金子誠ヘッドコーチはインタビューでこう話してくれました。「今大会の優勝はうれしいけど、でも、オリンピックでは通用しない。同じような戦い方はできませんよね、と稲葉(稲葉篤紀)監督とも話をしました」。

 というのはプレミア12では28人までベンチ入りが許されていましたが、東京オリンピックでは「24人」で戦わなければなりません。つまり、選手の起用法を一つとってもプレミア12でできたことが、東京オリンピックではできないことが出てくるわけですよね。そのためにプレミア12では、東京オリンピックを想定した戦いをするのか、開催国枠があるとはいえ、やはり優勝という使命を果たすためにまずは目の前の試合に勝つことを優先するのか……。きっと稲葉監督もコーチたちも、いろいろと苦労したと思うんです。

 一方でプレミア12で4位に沈んだアメリカですが、すでに“オリンピック仕様の戦い方”をしていたのだとか。スタメンをほぼ固定し、そのほかの3人の野手はいずれもユーティリティープレーヤーをベンチ入りさせてきていたんです。このあたりはさすがアメリカ。東京オリンピックが「本番」というわけですね。

 ただ、僕はやっぱりプレミア12で優勝して「世界一」という称号を得て東京オリンピックに向かえるというのは、侍ジャパンのメンバーにとってはすごく大きいことだと思うんです。

 ご存知のように台湾で行われた予選ラウンドから本当に厳しい試合が続きました。やっぱり世界一になるって、本当に簡単なことではないんだなってあらためて現場で見ていても思いました。しかも、大会直前に辞退を余儀なくされた選手も出てしまって。僕なんかはそうなるとチームの士気が下がってしまうんじゃないか、もしかしたらいい状態で臨めないかもしれないと……ちょっと不安に思っていたんです。でも僕の目は節穴でした。菊池涼介選手に直接話を聞いたところ「厳しい試合が続けば続くほど、チームは1つにまとまっていった」んだそうです。

 確かにプレミア12とは戦い方に違いはあるかもしれません。でも、同じ日本という舞台で世界一の座をつかんだその経験、イメージを持っているというのは絶対にチームの大きな強みになってくれるはずです。


 僕自身にとってもおそらく人生で一度きりの自国開催でのスポーツの祭典。今からすごく楽しみにしていますし、みんなで選手たちに精いっぱいのエールを送りましょう!!
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