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球界デキゴトロジー/4月4日

沖縄に初めて紫紺の優勝旗!沖縄尚学がセンバツ初V(1999年4月4日)

 

沖縄県勢センバツ初優勝を決めた沖縄尚学ナイン


 野球の歴史の中から、日付にこだわってその日に何があったのか紹介していく。今回は1999年4月4日だ。

 集まった4万8000人の大観衆の異様な興奮に、甲子園は支配されていた。一球一球に熱い視線が注がれ、歓声が沸き起こる。8回にはウェーブも沸き起こった。センバツ決勝、沖縄尚学高と水戸商高の一戦。2点を追う2回裏一死一、二塁で沖縄尚学高は有銘真吾の適時打などで同点。5回裏に無死一塁から新垣雄之の三塁打で逆転し、7回裏には浜田政の本塁打でダメを押した。

 そして、この試合、両軍合わせて221球目。先発した照屋正悟が投じたボールは、鈍い音とともにセンターへ緩い弧を描く。松堂大輔がしっかり構え、ボールを捕った瞬間、この試合で、いや今大会で一番の大歓声に球場全体が包まれた。沖縄県勢、甲子園で悲願の初V。沖縄尚学高が水戸商高を7対2で下し、その偉業を成し遂げたのだ。

 忘れてならないのは比嘉公也の頑張り。前日、準決勝のPL学園高戦で延長12回を投げ抜いたその姿はチームに力を与えた。決勝で出番はなかったが「あこがれの場所に最後までいられてうれしかった」と笑顔。金城孝夫監督も「ここまで勝ってこられたのは比嘉の力。ウチには優勝投手は2人います」と、その頑張りを称えた。

「優勝旗はズシリと重かった」と主将・比嘉寿光。沖縄出身の歌手・Kiroroの『長い間』のマーチで始まった第71回選抜甲子園大会は、沖縄の少年たちのさわやかな笑顔で締めくくられた。

写真=BBM
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