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令和最初の勝利投手、目標まであと「16」

 

5月1日の中日戦に勝利した巨人は、令和初勝利のエース・菅野智之と、令和第1号本塁打を放った主将・坂本勇人がそろってお立ち台に



 5月1日午後4時49分。巨人が12球団最速で令和初白星を手にした(対中日、東京ドーム、5対1)。勝利の瞬間、マウンドに立っていた先発のエース・菅野智之は、125球を投じ、7安打1四球1失点で今季2度目の完投勝利(もちろん令和初完投、初勝利)。しかし、直後に行われたヒーローインタビューでは悔しさをにじませている。

 令和第1号本塁打を放ったキャプテン・坂本勇人とお立ち台に上がった右腕は、開口一番「悔しいです」。その理由は完封を目前にした9回、先頭の京田陽太からビシエドまで3連打を許して失点を喫したからで、ノーヒット・ノーランをした直後にも課題を見つけ出すほどの向上心の塊である、右腕らしい姿にも見えた。
 
 しかも、ゴールデンウィーク真っただ中のこの日、チームは10連戦の5戦目。V奪回を目指すチームにとっては前半戦の大きなヤマ場の1つでもあり、8回までのほぼ完ぺきな内容と展開もあって、最後のバタつきが許せなかったことは、「(リリーフの投手たちに)ブルペンで準備させて申し訳ない」というコメントにも表れている。

 ただ、前回登板からのリアクションはさすが。平成ラスト登板(前回登板)だった4月25日のヤクルト戦(神宮)では、自身初の3者連続弾を浴びるなど、4回途中7失点でKO負け。相手こそ異なるものの、中5日で迎えたこの日は屈辱を力に変え、より集中力を高めて、ほぼ完ぺきなパフォーマンスにつなげた。

「やられたらやり返すのがプロ」と言ってたたえたのが原辰徳監督。「前回、かなり苦渋を飲まされましたからね。それをしっかり栄養にしてマウンドに上がったということですね」と絶対の信頼を置くエースの奮投に目じりを下げた。

 12球団最速での奪三振をスタートに、この日は節目の通算1000奪三振も達成。令和初勝利投手となったこと対して「光栄に思いますし、まだまだどんどん勝っていきたいなと思います」と話した菅野は、今季のターゲットに3年連続沢村賞とともに「20勝」を据える。開幕から1カ月を終え、これで6戦4勝2敗。目標まであと16勝だ。

文=坂本 匠 写真=榎本郁也
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