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週べ60周年記念

明大・星野仙一の爆弾発言/週ベ回顧

 

 昨年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在、(平日だけ)1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永くお付き合いいただきたい。

中日に水原茂監督就任


表紙は中日江藤慎一



 今回は『1968年12月9日号』。定価は60円。

 11月14日、かねてからのウワサどおり、中日に水原茂監督が誕生した。当時、中日の監督はそこそこの成績を残しながらも、親会社の派閥争いもあって、1、2年での交代が頻繁にあった。
 中日ファンの水原に対する期待は大きかったようで、就任会見のため名古屋に向かう新幹線のプラットホームには、中日の応援団が現れ、「祝・水原茂中日監督就任」と書かれたのぼりを振って大歓声。名古屋駅は名古屋駅で、ファンが殺到し、サインを求めた。

 水原も地元の熱気に触れ、「中日の監督を引き受けて、いまさらながら責任の重大さを痛感した」と語っている。
 その後、中日球場での秋季キャンプにも顔を出し、
「僕は中日監督の1年生。力を合わせてしっかりやろうじゃないか。なんでも話し合ってやっていきたい」
 とあいさつした。

 ドラフトで阪神に1位指名された法大・田淵幸一だが、「1年ノンプロでやってからプロへ」という言葉が新聞で「腰掛け気分では社会人に失礼」とたたかれ、「社会人には行かないと思う」となった。ただ、「阪神には行く気になれない」は変わらない。

 巨人の正力亨オーナーは「阪神から田淵のトレードの話が来たら、喜んで受けたい」と話したが(こういう物言いへの批判はなかった。それもありだったのか)、阪神の戸沢代表は「トレ―ドは毛頭考えていない」と言っている。
 まだ一波乱ありそうだ。

 ほか1位では、亜大の大橋穣(東映)、法大の富田勝(南海)、富士鉄釜石の山田久志(阪急)、箕島高の東尾修(西鉄)の交渉が難航していた。東尾はスカウトからの声として投手より野手のほうが大成する、と言われていたようだ。

 11月13日の報知新聞には、中日に指名された星野仙一と田淵、大橋、富田の座談会が掲載されたが、その中の星野のこんな発言が物議を醸していた。
「なんで、あんな小僧を。田淵が指名されたのならあきらめがつくが」
「ドラフト制度などぶっこわせだ。巨人は島野と星野の字を間違えたんじゃないかな」
 島野修も、これではつらかっただろう。

 なお、鶴岡一人南海前監督に断られた阪神は後藤次男ヘッドコーチの監督昇格を発表。ただ契約の細かい話はまったくなかったようだ。
「契約金? 参加報酬? 何もしらんわ。これから話し合うんだろう。契約年数のことも考えんようにしてる。もし1年限りやったら、それでもええやないか」
 さすが、仏のクマさんだ。

 では、またあした。

<次回に続く>

写真=BBM

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