今シーズンも間もなく終了するが各球団、最も活躍したルーキーは誰か? セ6球団を見ていこう(記録は9月23日現在)。 読売ジャイアンツ
今季のルーキーでは唯一の大卒選手(ほかは育成を含めてすべて高卒選手)で、開幕2カード目の4月4日の
阪神戦(東京ドーム)で初登板初先発デビューした高橋優貴。6回1失点で勝利投手となると、日程の都合等で登録を抹消されることもあったものの、多くの時間を一軍で過ごし、ここまで17試合すべて先発のマウンドに立っている。球数が多く、イニングを消費できないところは改善ポイントだが、4月に2勝、5月に勝、8月に2勝と計5勝は、先発ローテーションを守っていることを加味して合格点ではないか。空振りを奪えるスクリューは大きな武器。来季以降のさらなる飛躍が期待できる。
横浜DeNAベイスターズ
シーズン後半に一軍デビューし、4本塁打のドラフト2位・
伊藤裕季也は強いインパクトを残した。3位の
大貫晋一は開幕から先発ローテを支え5勝をマークするなど投手陣を支えた。しかし、1位入団の上茶谷大河は2人を上回る活躍ぶりだった。即戦力右腕の前評判どおりの投球で、シーズンを通して先発ローテを守った。エース・
今永昇太と同じ24試合に登板して、7勝6敗、防御率3.99は評価に値する。勝ち星こそ伸びなかったが、ルーキーイヤーで得た大きな経験は、来年以降に生かされるはずだ。
広島カープ
広島では、なんといってもドラフト1位の小園海斗だ。長くレギュラーを張っていた
田中広輔の不調もあって、オールスター明けからはほとんどの試合でショートで先発し、打率.213、4本塁打、16打点。プロ初本塁打を放った7月26日の
ヤクルト戦(神宮)では、「あわやサイクル安打」の猛打も。当初は不安が見えた守備も慣れるにしたがって安定し、高卒ルーキーとしては出色の働き。今後への期待もふくらむ。ただ、来季のレギュラーとして確固たる存在になるためには、打率の上昇は不可欠。さらに、今季はほぼフリーに打たせてもらったが、今後はバントやヒットエンドランなどの作戦面への対応も、より求められることになり、さらなる成長が必要だろう。
阪神タイガース
開幕スタメン入りを果たしたドラフト1位の近本光司。「盗塁王&新人王」を目標に掲げ、センターのレギュラーを獲得。オースターゲームにもファン投票で選出され、第2戦では球宴史上2人目のサイクルヒットを達成。その勢いのまま後半戦に入り安打を増産し、9月19日のヤクルト戦(甲子園)ではセ・リーグ新人安打記録153安打を持つ元巨人の
長嶋茂雄氏の記録を抜く154安打を放ち、61年ぶりに記録を更新した。さらに現在35盗塁を数え、リーグ単独トップに躍り出ている。まさにスーパールーキーとして躍進した1年となっている。
中日ドラゴンズ
現在、今年のルーキーで一軍デビューしているのは、ドラフト2位の梅津晃大、3位の
勝野昌慶、4位の
石橋康太の3人のみ。もっともデビューが早かったのは勝野だが、インパクトの大きさはやはり梅津だろう。新人合同自主トレ中に右肩インピンジメント症候群を発症し出遅れたが、8月12日の阪神戦(ナゴヤドーム)で初登板初勝利。そこから無傷の3戦3勝だった。4連勝とはならなかったものの、ここまで5試合に登板し3勝1敗、防御率2.83の好成績を残している。先発ローテーションにも食い込み、故障離脱してから掲げてきた「閉幕一軍」(シーズン終了まで一軍に居続けること)の目標は、現実となりそうだ。
東京ヤクルトスワローズ
先発投手陣が早期に崩れる場面が多く、今季は67試合のハフを筆頭に、66試合の
梅野雄吾、64試合の
マクガフなど、救援投手がフル回転を強いられた。そんな中で、ドラフト5位左腕の坂本光士郎がルーキーでは最多となる17試合に登板。防御率4.43とプロの洗礼を浴びたものの、確かな一歩を記している。対左打者のワンポイントもあれば、イニングまたぎも。特に阪神戦では5試合に登板して防御率1.42と相性の良さも見せた。来季こそは一軍定着を実現させたい。
写真=BBM