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広島・佐々岡真司新監督のリリーフ陣再建計画とは?

 

キーマンとなる岡田明丈


岡田明丈。来季のリリーフ陣再建のカギを握る投手の一人だ


 来季、佐々岡真司新監督の下、リーグの覇権奪回を目指す広島。本誌11月18日号では、新監督と同様、現役時代に100勝&100セーブを達成している、同じ島根出身の広島OBの大野豊氏の聞き手による新監督インタビューを掲載するが、ここでは、紙面の都合で掲載できなかった部分も含めつつ、佐々岡新監督がV奪回のポイントとして挙げたリリーフ陣の再建計画の展望をピックアップして、少しご紹介していきたい。

 今回の対談で、「今季、優勝できなかった一番の要因はどこだと分析しているか」という大野氏の問いに、新監督が真っ先に挙げたのは、「勝ちパターンから逃げ切りができずに落としている試合がいくつかあること」だった。チーム防御率は2018年の4.12から19年は3.68と良化させた広島だが、実は19年には逆転負けが32試合を数えている。新監督の言葉はこのあたりを指したものだろう。攻撃陣も19年は総得点591と、前年の721から約130点も落としているが、それより先にこの部分が出てきたというのは、新監督の中にも、投手コーチとして今年やり切れなかったという思いと、来季へ向けての「こうすれば」という思いがあるからなのかもしれない。

 では、来季に向けては、新監督はその部分でどんな構想を描いているのだろうか。いくつか挙がった選手の名前から展望してみたい。抑えのフランスアは動かないとして、新たな顔ぶれが投入されそうなのはその前の部分だ。まず新監督が挙げたのが、新外国人の右腕のDJ・ジョンソン(前ロッキーズ)だ。新監督によれば150キロ級のストレートがあるということで、セットアップ、あるいは抑えで使っていく考えのようだ。

 そしてもう一人、キーマンになりそうなのが、これも剛速球を持つ岡田明丈だ。先発で臨んだ今季は制球を乱して苦しんだが、1年かけて復調気配になりつつあり、来季はリリーフ投入でその剛球を生かすプランかあるという。さらに、若手で「パワーピッチャーなので期待している」と名前が挙がったのが来季2年目の島内颯太郎。今季は防御率4.40で、ほとんどビハインドの局面での登板だったが、投球内容をもう少し細かく見ると、被打率は1割台(.192)で、奪三振率が10.36あり、可能性を秘めた投手であることが分かる。これまでは勝ちパターン継投に入っていなかったこの3人の右腕が入ってくれば、新しい勝利の方程式が見えてくる。

イメージは「パワーピッチャー」


 中継ぎから抑えの部分に関して、新監督の頭にあるイメージは、「パワーピッチャー」だ。大野氏との対談の中でも、日本シリーズで巨人打線を抑え込んだソフトバンクのリリーフ陣の充実ぶりを例に出し、「6回以降の逃げ切りの場面では、本当に強い球を投げられるピッチャーでないと」と力説されていた。前記3投手の名前が挙がってきたのはそのあたりがあるからだろう。

 そうなると、左腕では、まずは昨年も勝ちパターンである程度投げた中村恭平が入ってくるだろう。これも150キロ級の速球を持ち、奪三振率11.77を記録するパワーピッチャーだ。左腕でもう一人となると、期待されるのが、塹江敦哉だ。今季は先発でも起用され、0勝1敗、防御率6.10の成績に終わったが、実は奪三振率10.02を記録している。佐々岡新監督も「ひと皮むけそうな感じがある」と期待の若手投手だ。

 リードを取れたら、力のあるピッチャーを並べて中盤以降を抑えていく、という構想のイメージが、なんとなくお分かりいただけただろうか。これらの顔ぶれで無走者からの継投が確立できてくれば、例えば走者を置いてのリリーフという場面では、落ちる球を持ち、今季実績を作った菊池保則を組み合わせていくパターンも可能だ。さらに、もし森下暢仁の加入と、遠藤淳志の転向予定で先発陣に余裕ができるようなら、今季は先発中心だったが、昨年リリーフで実績を持つアドゥワ誠の落ちるボールを、またリリーフで生かす、というオプションも生まれてくる。

 こうして見てくると、リリーフ陣に関しては、来季の展望がある程度開けてくるように思えるのだがどうだろうか。野手陣のほうは、菊池涼介のメジャー挑戦希望の動向もあり、まだ見えてこない部分もあるが、広島では53年ぶりに登場する投手出身監督だけに、まず投手陣の整備は手抜かりなく進んでいくはず。新監督がその手腕をどう発揮していくか、期待を持って見ていきたい。

文=藤本泰祐 写真=BBM

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