反応で打つことで打ち損じを減らしていきたいと考えている近本
セ・リーグ新人最多安打の159安打を放ってもまったく満足していない。2020年シーズンに向け2019年の課題を克服するため、オフでも時間を見つけて試行錯誤のトレーニングに励んでいる。19年シーズンの活躍が認められ新人特別賞を獲得した
近本光司。うれしさはこの一瞬。すでに20年への目標を定めている。
「2年連続盗塁王は絶対に獲りたい」
それを達成するためには、まずは出塁率を上げることが先決だ。19年の出塁率は.313と一番打者としてはそこまで高くはない。盗塁王を争うライバルの
中日・
大島洋平は.376、
ヤクルトの
山田哲人は.401と2人とも近本を大きく上回っている。
この2人に近い出塁率を叩き出すことができれば、おのずと盗塁数がもっと増えるはずだ。そこで近本が取り組んでいることが、反応で打つこと。「ゴロアウトのほとんどが打ち損じでした。そこをしっかりボールを見て打つことができれば」と近本自身、今何が必要かをしっかりと見つめている。
ルーキーシーズンは85センチ、890グラム前後のバットでスタートし、新人安打記録達成時は84センチとなった。今季は83センチやタイカップ系のバットを試しながら、反応でヒットを打てる打撃フォームを作り上げていく。
「ルーキーではシーズンの中でいろいろと試していきましたが、2年目はオープン戦でそれができるので、調整していきたいし楽しみでもあるんです。開幕の時点でしっかりスタートできると思うので、そこは19年と違うし、僕にとっても大きいことです」と自身の進化にも期待を持ちながら、2020年シーズンを迎える。
文=椎屋博幸 写真=BBM