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阪神は現在勝率7割。もしこのペースで優勝すれば歴代何位?

 

5月19日のヤクルト戦(甲子園)で2年目の西純矢(右)がプロ初勝利。これで阪神は勝率7割に到達(左は矢野燿大監督)


 今季の阪神は5月23日現在、42試合を戦って28勝12敗2分で首位。勝率は7割ジャストと、とにかく強い。ベテラン、新人、助っ人とそれぞれが活躍し、また投打がかみ合っていることもあり、なかなか連敗しないのも特徴だ。このまま最後まで首位を走り続けるよう期待したいが、もし勝率7割ちょうどを維持したままリーグ優勝した場合、歴代では何番目に高い勝率になるのだろうか? 歴代優勝チームの「勝率」を調べてみた。

2リーグ制以降で7割超えは7チーム


1951年、南海を優勝に導いた山本一人監督


 2リーグ制となった1950年以降のリーグ優勝チームの勝率を調べた結果、勝率が高い順にTop10は以下のようになった。

第1位 1951年 南海 勝率.750
第2位 1950年 松竹 勝率.737
第3位 1951年 巨人 勝率.731
第4位 1955年 巨人 勝率.713
第5位 1955年 南海 勝率.707
第6位 1950年 毎日 勝率.704
第7位 1953年 巨人 勝率.702
第8位 1952年 巨人 勝率.692
第9位 1966年 巨人 勝率.685
第10位 1954年 中日 勝率.683
同10位 1983年 西武 勝率.683

 最も勝率が高かったのは1951年の南海だ。「100万ドルの内野陣」と評された守備力に加え、盗塁数191個、打率リーグ1位、投手陣は先発4人が2ケタ勝利と、走攻守すべてで他を圧倒。2位西鉄に18.5ゲーム差という圧倒的な差をつけ、リーグ優勝を果たした。南海は、1955年にリーグ優勝した際にも、.707と7割を超える勝率を残している。

 次は1950年の松竹で、勝率は.737。二冠王になった小鶴誠を中心とする打線は攻撃力抜群で、セ・リーグ記録となる98勝を記録した。この年は2位中日が89勝44敗4分、3位巨人も82勝54敗4分と、普通なら優勝しているような成績を残したが、それでも松竹には遠く及ばなかった。同じ1950年は、パ・リーグで優勝した毎日も勝率.704と高い数字をマーク。こちらも創設1年目ながら2位南海に15ゲーム差をつけて初優勝を飾っている。

 球界の盟主・巨人は3位、4位、7位、8位、9位とTop10に5度ランクインしている。最も勝率が高かったのは1951年。この年は、前年3位に終わったうっぷんを晴らすかのように2位名古屋に18ゲーム差で優勝し、日本シリーズでも南海を下して初優勝を果たした。ここから巨人はリーグ3連覇と黄金時代を築いていく。

 1954年に巨人のリーグ4連覇を止めたのが天知俊一率いる中日だ。序盤から好調だった巨人がシーズン中盤に失速。そのスキを見逃さず、杉下茂を軸とする強力な投手陣を擁する中日が首位に浮上。そのまま巨人の追い上げを抑えてリーグ初優勝を記録した。

 Top10に並んでいるのは、ほとんどがチームの戦力差が大きかった1950年代のもの。その中で、唯一1980年代以降でランクインしたのが1983年の西武。広岡達朗監督が率いて2年目の西武は、この年86勝40敗4分と圧倒的な成績でリーグ2連覇を達成。広岡監督の後にチームを引き継ぎ、黄金期を作った森祇晶監督もここまでの勝率は残せなかった。

 これまでの勝率Top10を紹介したが、もし阪神が勝率7割ジャストのまま優勝した場合、歴代8位にランクインすることなる。7割超えのチームは1955年以降登場していないため、実現したら66年ぶりの快挙だ。

阪神は2003年優勝時の勝率が歴代最高


2003年、優勝した星野阪神の勝率は.630だった


 阪神はこれまでに5度リーグ優勝しているが、それぞれの勝率は以下のとおりだ。

1962年 75勝55敗3分 勝率.577
1964年 80勝56敗4分 勝率.588
1985年 74勝49敗7分 勝率.602
2003年 87勝51敗2分 勝率.630
2005年 87勝54敗5分 勝率.617

 5度のリーグ優勝のうち最も勝率が高いのが2003年で.630。星野仙一率いる阪神は投打がかみ合い、最後まで首位の座をキープ。最終的に2位中日と14.5ゲーム差と圧倒的なシーズンだった。今年は2003年に比肩する好調ぶりのため、少なくとも勝率.630を超える勝率を期待したいところだ。

 選手の新型コロナ感染が相次ぐなど、今年も厳しい状況のプロ野球。そのため、最後まで調子を維持するのはそう簡単ではない。現在勝率7割と好調の阪神は、果たして史上8チーム目の7割優勝を飾れるのか、今後に注目だ。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM
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