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巨人が先発ローテ刷新か 赤星、堀田猛アピールで、高橋、戸郷が「落選危機」に

 

 プロ野球開幕まであと10日を切った。各球団の先発ローテーションの輪郭が見えてくる中、巨人は新しい顔ぶれが続々と入る可能性がある。現時点で確実視されているのは菅野智之メルセデスの2枠のみ。昨季チーム最多の11勝をマークした高橋優貴は状態が上がらず二軍調整。2年連続9勝と実績を積み重ねる戸郷翔征もまだ確定ではない。有力候補に名乗りを上げているのはドラフト3位の赤星優志堀田賢慎山崎伊織今村信貴らだ。今村以外の3投手は一軍での登板経験がない。先発ローテーションの座をつかむ投手たちが注目される。

抜群の制球力を誇るルーキー


ピンチで物おじしない投球を見せている赤星


・赤星優志

 先発入りをほぼ手中に収めているのが赤星だ。3月13日のオープン戦・阪神戦(甲子園)で5回4安打3奪三振無失点の快投。無四球の好投で開幕先発ローテーション入りをたぐり寄せた。一番の武器は抜群の制球力だ。ツーシーム、カットボール、フォークを中心に多彩な変化球で失投が少ない。だが、技巧派というわけではない。力感のないフォームから150キロ近い直球に打者は差し込まれる。ピンチでも物おじせず、ポーカーフェースで淡々とアウトを重ねる姿が頼もしい。春季キャンプで桑田真澄投手チーフコーチから教わったカーブをオープン戦で有効に駆使する姿にセンスの高さを感じさせる。

 本格的に投手になったのは日大鶴ヶ丘高からと伸びしろも十分だ。高校では甲子園出場が叶わず、日大では4年春まで東都2部リーグとエリート街道を歩んできたわけではない。その球歴が反映しているのか、精神的にたくましく見える。重圧をはねのけて活躍する資質は十分に兼ね備えている。

育成落ちから復活したドライチ


抜群の潜在能力を誇る2020年ドラフト1位の堀田


・堀田賢慎

 3月16日の中日戦(バンテリン)で5回3安打無失点の好投。最速151キロの直球で力強い投球に中日も警戒を強めただろう。オープン戦3登板で計10イニングを投げて防御率0.00。育成枠から春季キャンプで好投を続けて11日に支配下登録へ復帰し、先発ローテーションも当確ランプをともして順調に駆け上がっている。

 同世代の佐々木朗希(ロッテ)、奥川恭伸(ヤクルト)、宮城大弥(オリックス)には負けられない。青森山田高から2020年ドラフト1位で入団して紆余曲折を経た。1年目に右ヒジ痛で4月にトミー・ジョン手術を受け、同年オフに育成契約に。リハビリを経て実戦復帰すると、自己最速の155キロを計測し、スライダー、チェンジアップの精度も上がるなど進化していた。元阪神の藤川球児氏を彷彿とさせる打者の手元でホップするような軌道の直球にはロマンが詰まっている。

期待高まる「未来のエース」


キレがあり、伸びる直球が目を引く山崎


・山崎伊織

 プロ1年目の昨季は右ヒジのリハビリで一、二軍で登板なしに終わったにもかかわらず、堀田と共に桑田投手チーフコーチから春季キャンプの「強化指定選手」に指名された事実が期待の大きさを物語っている。しなやかな糸を引くような快速球と鋭く横滑りするスライダーを見れば誰しも大きな期待を抱く。東海大では通算17試合登板、11勝1敗、防御率1.09。3年春、秋とリーグMVPを連続で獲得し、同年の大学日本代表で日米大学野球優勝に大きく貢献した右腕は4年時にトミー・ジョン手術を受けた。1年目にリハビリを費やすことになるが、巨人がドラフト2位で指名したのは「未来のエース」と評価したからだ。

 登板を重ねることで、本来の姿を取り戻しつつある。3月12日のオリックス戦(京セラドーム)では右ヒジ手術から復帰後最多の72球を投げて4回4安打3失点。味方の失策も絡み対外試合4戦目で初失点を喫したが、内容は決して悪くない。次回のオープン戦最終登板で一軍先発ローテーションの切符をつかめるか。

写真=BBM
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