キャッチャーとサードは相性がいい
雑誌の「週べ」のコラムでは、投手のヒットが目立った開幕2連戦について書いた。
特に、
會澤翼、坂倉将吾らを擁し、捕手の打撃がいいカープは、九番打者である投手の打撃で打線のつながりが生まれ、大量得点につながった。
ただ、投手が常に打ちまくるわけではない。そこはボーナスみたいなものと考えると、今後、カープが優勝を狙ううえで、けん引していく、いや、していってほしい存在になるのが、昨年打率2位とブレークした坂倉将吾だ。
坂倉は本来、キャッチャーだが、カープには強打のベテラン・會澤翼をはじめ、
石原貴規など捕手の数はそろっている。前年であれば、坂倉はキャッチャー、一塁と半々の出場だった。
今季、
佐々岡真司監督は開幕から2戦、坂倉をサードで起用した。これ、佐々岡にしては(?)クリーンヒットじゃないかな。すごくはまっているように見えた。
もともとキャッチャーからサードは相性がいい。
小笠原道大(
日本ハムほか)がそうだったし、カープで言えばレジェンドの
衣笠祥雄さんも捕手で入り、一塁に回ったあと、初優勝の75年からサードになった。キヌさんはサードの守備もうまく、俺もずいぶん助けてもらった記憶がある。
サードはホットコーナーと言われ、内野の中ではもっとも速い打球が来て体を張らなきゃいけないし、さらにもっとも遠くから一塁へ投げなければならない。
ある意味、キャッチャーと同じだ。俊敏性を持ち投手の速球をさばき、ワンバウンドの処理もこなす。スローイングの練習も、もっともやっているポジションと言っていい。
しかもサードとなれば、守備面はキャッチャーに比べれば負担が少ないので、より打撃に力を注げるはずだ。かつての
村田修一(
巨人ほか)がそうだったが、サードの選手は守備のリズムを打撃につなげるタイプが多い。坂倉にとっても、カープにとってもプラスが多いコンバートじゃないかな。
就任後の低迷もあって、いろいろ批判があった佐々岡監督だったが、昨年の
小園海斗のショート定着、
栗林良吏の抑え起用と“ヒット”が増えてきたように思う。坂倉のサードコンバートが“長打”になれば、カープが優勝に突っ走る可能性も十分にある。
そのための条件が坂倉の首位打者かな。捕手メーンでは厳しいかもしれないと思っていたが、サードがメーンで起用になれば、十分いけると思っている。
写真=BBM