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鈴木誠也、筒香嘉智…メジャーで対照的な歩みの「侍ジャパンの四番」

 

打率3割、30本塁打も可能


メジャーでも高い打撃能力を発揮している鈴木


 カブス・鈴木誠也が開幕から打撃好調をキープしている。

 開幕シリーズとなった4月10日(日本時間11日)のブリュワーズ戦で初回二死一、二塁の好機に左中間スタンドへ運ぶ先制3ラン。メジャー初アーチに本拠地のリグレー・フィールドは大歓声が鳴りやまなかった。12日(同13日)のパイレーツ戦でも4回に2試合連続の2号ソロを右中間に放ち、7回も2打席連続弾となる3号左越えソロと本塁打を量産。17日(同18日)のロッキーズ戦では7回に逆方向の右翼席へ、4号ソロを放った。

 広島からポスティングシステムを利用してメジャーに挑戦したが、メジャーの労使協定が失効してロックアウトに突入した影響で、カブスに入団が決まったのは3月18日(同19日)。複数球団の争奪戦を制したカブスと5年8500万ドルの長期契約に合意した。開幕戦まで1カ月あまりと調整期間が満足にあったわけではないが、懸念は杞憂に終わった。

 鈴木の魅力は長打力だけではない。NPBでは首位打者を2度獲得するなどミート能力も高く、昨季は打率.317、38本塁打、88打点をマーク。王貞治落合博満に次ぐ史上3人目の「6年連続打率3割、25本塁打」をクリアしている。昨年の東京五輪では、侍ジャパンの四番で金メダル獲得に大きく貢献した。

 メジャーでも自身の打撃スタイルは変わらない。23日(同24日)のパイレーツ戦ではメジャー初の猛打賞と広角に安打を打ち分け、打率3割を軽く超えるハイアベレージをキープしている。外野の守備能力も高い。昨年はリーグトップの13補殺をマークするなど、ゴールデン・グラブ賞を5度受賞している。俊足と強肩は大きな武器になるだろう。

「鈴木自身はまだ手ごたえを感じている感覚はないでしょう。理想が高い選手なので実戦を重ねていろいろな経験をすることで多くのことを学んでいる段階ではないでしょうか。逆方向にも長打が出ているので大崩れしないのではないか。長いシーズンなので状態が悪い時期も当然ありますが、打率3割、30本塁打は達成可能な数字だと思います」(米国在住のスポーツ紙記者)

復調の兆しが見える筒香


今季でメジャー3年目を迎えた筒香。これから本領発揮となるか


 一方、鈴木と同様にかつて侍ジャパンの四番を務めた筒香嘉智はパイレーツでメジャー3年目のシーズンを迎えた。鈴木のように順風満帆な歩みだったわけではない。2019年オフにポスティングシステムでレイズに移籍したが、1年目の20年は打率.197、8本塁打、24打点。昨季も打率.167、0本塁打、5打点とふるわず、5月にロースター40人枠から外れた。ドジャースにトレード移籍も打率.120、0本塁打、2打点と結果を残せず、6月9日に故障者リスト入りすると、8月14日に自由契約が発表された。

「メジャーは厳しいのではないか」と日本球界復帰も囁かれたが、筒香はここからはい上がった。パイレーツに移籍すると長打を量産。代打で結果を残すと、スタメンで起用されるようになり、43試合出場で打率.268、8本塁打、25打点をマークした。首脳陣の信頼をつかみ、パイレーツと再契約を結んだ。

 今季は打率が1割台と本来の状態ではないが、復調の兆しは見えている。24日(同25日)のカブス戦では2回に中前打、1点差を追いかける3回一死二、三塁で同点の左犠飛を放ち、チームの逆転勝利に貢献した。

 筒香と鈴木は互いの存在を認め合っている。鈴木は筒香の背中を追いかけ、筒香も鈴木の活躍が大きな刺激になっているだろう。大谷翔平(エンゼルス)だけでなく、鈴木と筒香もメジャーに名を轟かすパフォーマンスを見せてほしい。

写真=Getty Images
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