神奈川は左腕が多い?
横浜高の松坂は東京出身だ
泣いても笑っても(?)縁が深い神奈川県と東京都。1998年に神奈川の横浜高でエースとして甲子園で春夏連覇を成し遂げた
松坂大輔(
西武ほか)は東京の出身であり、選手の出身地と卒業した高校の所在地で別々に時空を超えたドリームチームを編成するとしたら、似たような顔ぶれで別々のチームができそうなのが神奈川と東京だ。
巨人を率いる
原辰徳監督のように神奈川の出身でプロでは東京のチームでスターとなる選手も多く、古くは神奈川の法政二高でエースとして夏春連覇を達成した
柴田勲が巨人で野手として一世を風靡した。
原の甥で同じく神奈川の東海大相模高を出た現役の
菅野智之(巨人)も神奈川の出身だ。逆に県庁所在地の横浜に本拠地を置く
DeNAでエースとなった投手は皆無だが、横浜高が甲子園で頂点に立った98年にプロの横浜でセットアッパーとして活躍した
阿波野秀幸は桜丘高を出て、近鉄でエースとして活躍した左腕。横浜高からは川崎の
ロッテへ左腕の
愛甲猛が入団したが、打者として大成した。現役の左腕にも桐光学園高の
松井裕樹(
楽天)がいる。ただ、神奈川の左腕エース筆頭は日大藤沢高の
山本昌広(山本昌。
中日)だろう。通算219勝は現時点では出身者の最多だ。右腕には藤嶺藤沢高の
石井貴(西武)もいる。
一方、東京で甲子園のエースとなり、プロでは打者として868本塁打を積み上げたのが早実の
王貞治だが、のちに早実でアイドル的な人気を誇ったのが
荒木大輔(
ヤクルトほか)だ。早実にはプロで荒木を超える勝ち星を残した
石井丈裕(西武ほか)もいる。ほかにも修徳高の
成田文男(ロッテ)や日大三高の
佐藤道郎(南海、現在の
ソフトバンクほか)、帝京高の
伊東昭光(ヤクルト)に明大中野高の
武田一浩(
日本ハムほか)ら首都らしい盤石の陣容。近年では成田の後輩でもある
高橋尚成(巨人ほか)や
岩隈久志(楽天ほか)らメジャーで活躍した投手もいるが、東京のプロ最多勝は帝京商(帝京大学高)の
杉下茂(中日ほか)で215勝。ちなみに中日では、15歳でプロ入りして戦前は投手として活躍した
西沢道夫も東京の出身だった。
文=犬企画マンホール 写真=BBM