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今年こそ覚醒できるか…山本由伸世代で復活期す「ドラ1右腕」たち

 

山本に引けを取らない今井


今季初登板で勝利を飾った今井


 プロ野球の中心軸になりつつあるのが、「1998年世代」だ。WBCで頂点に立った侍ジャパンで、山本由伸宇田川優希山崎颯一郎(オリックス)、牧秀悟(DeNA)の4選手がメンバーに選ばれている。この他にも坂倉将吾森浦大輔(広島)、浜地真澄才木浩人佐藤輝明(阪神)、水上由伸(西武)、早川隆久(楽天)、堀瑞輝(日本ハム)ら各球団の主力選手たちがズラリ。彼らだけはない。伸び悩んでいる選手たちの中にも大化けする可能性を秘めた逸材たちがいる。

 2021、22年と史上初の2年連続の「投手5冠」に輝いた山本は、球界No.1投手で異論がないだろう。だが、ドラフト時に注目された投手ではなかった。都城高で九州を代表する好投手として知られたが、甲子園出場経験はなし。オリックスにドラフト4位で指名された。同年代で「高校BIG4」として脚光を浴びたのが、今井達也(西武)、藤平尚真(楽天)、高橋昂也(広島)、寺島成輝(元ヤクルト)だった。今井、藤平、寺島はドラフト1位、高橋はドラフト2位で入団したが、プロ入り後は故障や不調など試練を味わっている。

 投手としてのスケールは山本に引けを取らないと評されるのが、今井だ。荒れ球だが、最速159キロの直球にスライダー、カットボール、チェンジアップ、カーブをまじえて三振奪取能力が高い。21年には8勝を挙げたが、昨年は度重なる故障で9試合登板に終わった。それでも8試合で6イニング以上投げ切り、5勝1敗、防御率2.41。スポーツ紙記者は「コンディションを整えて1年間先発ローテーションで回れば、投手のタイトル争いに絡む可能性は十分にある」と太鼓判を押す。今季初登板となった今月4日の楽天戦(楽天モバイル)では、7回3安打8奪三振無失点の快投で白星スタート。能力を考えれば、高橋光成と共にダブルエースで稼働してもらわなければ困る投手だ。

背水の陣を迎えた右腕


 藤平は背水の陣を迎えている。ルーキーイヤーの17年に3勝4敗、防御率2.28をマーク。将来のエースと嘱望されたが、19年以降は3年連続未勝利に終わり、昨年も1勝のみだった。だが、今年は光が差し込んでいる。オープン戦で防御率2.25と結果を残し、開幕先発ローテーションを勝ち取ると、今月2日の開幕3戦目・日本ハム戦(エスコンF)で6回3安打1失点の快投を見せ、初勝利を挙げた。

 試合後のお立ち台で、「ピンチがたくさんありましたけど、一つずつ粘れたのは良かったと思います。これからシーズンが長いですが、良いスタートを切れたので勝ちを積み重ねていきたい。この流れに乗って1年間ローテーションを守れるように頑張りたいと思います」と力強く誓った。

復活が待たれる剛腕


開幕2戦目で先発マウンドに上がった種市


 ロッテ種市篤暉も復活が待たれる投手だ。ドラフト6位で入団し、高卒3年目の19年に8勝をマーク。日本人最多の23イニング連続奪三振を記録するなど剛腕で評価を高めたが、20年に右肘痛でトミー・ジョン手術を受けた。昨年8月11日のソフトバンク戦(ZOZOマリン)で740日ぶりに一軍のマウンドに復帰し、今年は開幕2戦目の先発を託された。4月1日のソフトバンク戦(PayPayーム)で89球を投げて4回4安打1失点。黒星スタートとなったが、打者19人に10奪三振と驚異的なペースで三振の山を築き、手応えをつかんだだろう。

 今井、藤平、種市と置かれた立場は違うが、エース格として活躍しても決して不思議ではない。25歳を迎えるシーズンで大きく飛躍できるか。大事なシーズンになることは間違いない。

写真=BBM
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