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新潟で開催される“かつてない”ドリームマッチ 早大現役学生対OB現役社会人「全早稲田戦」

 

前日にはレセプションパーティー


全早稲田戦を8月12日に控え、11日にレセプションパーティーが開かれた。今夏の都市対抗で優勝したトヨタ自動車の4人が壇上に立ち、39歳のベテラン・佐竹があいさつした。左から佐竹、細山田、河原右京八木健太郎[写真=矢野寿明]


 8月12日。新潟・南魚沼市の大原運動公園ベーマガSTADIUMでは、かつてないドリームマッチが開催される。

 1901年創部の早大の初代監督・飛田穂洲氏が提唱した「一球入魂」が、先輩から後輩へと伝承される「全早稲田戦」(主催:早稲田大学野球部、新潟県南魚沼市、後援:稲門倶楽部、(株)ベースボール・マガジン社)である。早大の現役学生と、OB現役社会人で編成する「稲門倶楽部」との超真剣勝負が展開される。

 社会人チームは今夏の都市対抗覇者・トヨタ自動車のほか、北海道ガス、Honda、鷺宮製作所、JR東日本、東京ガス、日本通運、明治安田生命、ENEOS、日本生命、Honda熊本から監督、コーチ、マネジャー、選手の総勢31人が参戦する豪華メンバーだ。

 試合前日(11日)にはレセプションパーティーが盛大に行われた。

 冒頭のあいさつで早大・小宮山悟監督は先発投手について明言した。「春(4位)の悔しさを持って臨むこの秋のシーズンです。現役諸君、君たちの力を存分に見せつけて、OBをやっつけてほしい。恐らく、社会人は佐竹(功年、トヨタ自動車、今年10月で40歳)が先発するでしょうから、こちらは一番若い越井(颯一郎、1年・木更津総合高)を先発させます。そこで力比べをしたい。開田監督、よろしくお願いいたします」と力強く語った。稲門倶楽部を指揮するHonda・開田成幸監督はやや困惑しながらも「はい!」と即答。小宮山監督は「佐竹、大丈夫か?」との問いに「はい。頑張ります」と予告先発となった。

 佐竹は社会人球界のレジェンド右腕である。2006年に入社してから、今年で18年目のシーズンを戦っている。今夏を含め都市対抗2度、社会人日本選手権6度の優勝に貢献。9月のアジア競技大会の侍ジャパン社会人代表(社会人チームで編成)に選出され、代表キャリアは7回。14、16年にはベストナイン、最多勝、最優秀防御率に輝くなど個人賞も多数、受賞してきた。まだまだベテラン健在だ。

 佐竹は壇上で、トヨタ自動車を代表してあいさつした。

「19年JFE東日本、20年Honda、21年東京ガス、22年ENEOS、そして今年のトヨタ自働車と早稲田の卒業生がたくさんいるチームが優勝しています。これも大学時代に培った早稲田の魂を、東京ドームで発揮している成果だと思います。先ほど、小宮山監督から予告先発をいただきましたので、精いっぱい頑張りたいと思いますし、社会人野球の誇りを持っておりますので、大学生に負けないように、40歳手前ですが、若さを前面に出していきたいと思います。実は、あまり練習していないんですけど(苦笑)、言い訳をせず、しっかり細山田(武史、コーチ)とバッテリーを組んで、抑えたいと思います。大学生に社会人野球の良さを伝えられたらと思いますし、新潟県民の方々に社会人野球の魅力をお見せするのも、我々の使命だと思っています」

 社会人野球は一発勝負のトーナメントで、頂点を争う。勝敗を分ける1球にかける執念、体を張った泥臭いプレー。社会人の必死さから、学生たちは学ぶことが多々ある。11時、プレーボール。稲門倶楽部(社会人)はパーティー後、試合へ向けたミーティングを実施し、本気度を体現。見逃せない一戦である。

文=岡本朋祐
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