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リチャード、蛭間拓哉、達孝太…キャンプで注目の「大ブレーク候補」は【パ・リーグ編】

 

 若手が次々に台頭するチームは強い。2021年からリーグ3連覇を飾ったオリックスは象徴的なチームだ。宮城大弥紅林弘太郎宇田川優希山下舜平大ら成長著しい選手たちが中心選手として躍動している。昨季は日本ハム万波中正が25本塁打を放ち、長距離砲としての素質を開花させた。今回はパ・リーグで各球団の若手成長株を取り上げたが、チームに大きなプラスアルファをもたらす若武者は現れるか。


・リチャード(ソフトバンク)
※昨季成績 22試合出場、打率.115、0本塁打、1打点、0盗塁
※通算成績 79試合出場、打率.157、10本塁打、26打点、0盗塁
 
 昨季はウエスタン・リーグで4年連続本塁打王、2年連続打点王を獲得したが、一軍では結果を残せず。逆方向にも長打を放つ長距離砲として稀有な才能を持ちながら、確実性の低さがネックになっている。今年の春季キャンプはB組(二軍)スタートに。「二軍の帝王」で終わるのは惜しい。二軍監督で指導を受けた小久保裕紀監督の信頼を勝ち取るには、実戦でアピールするしかない。

野口智哉(オリックス)
※昨季成績 76試合出場、打率.226、2本塁打、19打点、4盗塁
※通算成績 130試合出場、打率.226、3本塁打、25打点、4盗塁

 俊足、強肩に加えて豪快なフルスイングが魅力だが、残している数字には物足りなさを感じる。得点圏打率.306と勝負強さが光ったが、確実性を高めればさらに怖い打者になる。目指すべき打撃像でお手本になるのが、共に自主トレを行った森友哉だ。豪快なスイングが代名詞だが、2019年に首位打者を獲得するなどミート能力が際立っている。今年は打率を大幅に上げ、不動のレギュラーをつかみたい。

藤原恭大(ロッテ)
※昨季成績 103試合出場、打率.238、3本塁打、21打点、5盗塁
※通算成績 262試合出場、打率.227、12本塁打、60打点、25盗塁

 ドラフト1位で3球団が競合し、将来の中心選手として嘱望されたが伸び悩んでいる。昨季は春先が好調だったが、6月以降は下降線に。外野の守備でも安定感を欠いた。今年は24歳を迎え、将来を見据えて起用される時期は過ぎようとしている。求められる役割はミート能力を高めたリードオフマンだ。きっかけをつかみ、殻を破れるか。今年は野球人生の分岐点になりそうだ。

黒川史陽(楽天)
※昨季成績 9試合出場、打率.091、1本塁打、2打点、0盗塁
※通算成績 70試合出場、打率.184、2本塁打、14打点、0盗塁

ファームでは格の違いを見せているだけにもどかしい。昨年は初の開幕一軍に抜擢されたが結果を残せず。6月上旬にファーム降格すると、一軍から再び声がかかることはなかった。イースタン・リーグでは打率.307、5本塁打、55打点ときっちり結果を残している。今江敏晃新監督の下、春季キャンプは1軍スタートを切った。プロ5年目の今季は内野のレギュラーをつかみ、一軍でシーズンを完走したい。

西武・蛭間


蛭間拓哉(西武)
※昨季成績 56試合出場、打率.232、2本塁打、20打点、0盗塁
※通算成績 56試合出場、打率.232、2本塁打、20打点、0盗塁

 大卒1年目の昨季は開幕二軍スタートだったが、ファームで結果を残して6月下旬に一軍昇格。広角に安打を打ち、三番に起用された時期もあった。9月に調子を落として数字が下がったが、未知だったプロの世界を1年間経験して手応えをつかんだだろう。コンタクト能力が高く、対左投手で打率.297と苦手意識はない。大卒の同期入団で1年目から活躍した門脇誠(巨人)、森下翔太(阪神)に負けられない。

達孝太(日本ハム)
※昨季成績 一軍登板なし
※通算成績 1試合登板、0勝0敗、防御率0.00

 将来のエースと期待される右腕は高卒2年目の昨季一軍登板なし。イースタン・リーグで14試合登板し、2勝5敗、防御率5.15だった。集中打を浴びる場面が見られたが、43回2/3を投げて42三振を奪っている。入団当初は線が細かった194センチ右腕だったが、肉体が分厚くなり球に力強さが増している。山下舜平大が高卒3年目の昨季9勝をマークして新人王を獲得した。達も覚醒に期待したい。

写真=BBM
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