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ドラフト回顧

【ドラフト回顧・2017年】清宮幸太郎に高校生最多タイの7球団、外れ1位には村上宗隆、安田尚憲

 

今年もまた、ドラフト会議が近付いてきた。1965年秋からスタートし、今年で56回目。制度をさまざまに変えながら歴史を紡いできた。ここでは2019年のドラフト会議まで、1年ごとに振り返っていく。

ソフトバンクは4回の1位入札


7球団が競合して日本ハムが交渉権を得た清宮。大きな夢を語っていたが……


 2017年の目玉はもちろん、高校通算111本塁打の清宮幸太郎(早実)だった。清宮にはロッテヤクルト、日本ハム、巨人楽天阪神ソフトバンクと、高校生では史上最多タイの7球団が競合。“金の卵”の交渉権は、日本ハムが獲得した。清宮は「メジャー・リーガーになりたいという夢を持っているので、そこに向かって一歩ずつ着実に、目の前のことをやっていきたい」と、将来的に海を渡る夢も話した。

 清宮を外した6球団は、同じ左の強打者である安田尚徳(履正社高)と村上宗隆(九州学院高)を指名した。ロッテ、阪神、ソフトバンクが安田を、ヤクルト、巨人、楽天が村上を指名している。村上は昨季、全143試合に出場し、184三振で日本人最多のワースト記録を更新したが36本塁打に96打点をマーク。今季は四番に座り、打率も3割台をマークするなど昨季より進化した打撃を見せている。

 安田を外した阪神とソフトバンクは、3回目の入札で馬場皐輔(仙台大)を重複指名。阪神が交渉権を勝ち取った。ソフトバンクはまさかの4回目の入札となり、吉住晴斗(鶴岡東高)を指名した。しかし前評判は高くなく、選手育成に定評のあるソフトバンクらしい“サプライズ指名”だった。

 この年は育成が前提の高校生に指名が集中。数少ない“即戦力”では左腕2人に注目が集まった。DeNAが、東克樹(立命大)を一本釣り。東は翌年11勝を挙げ、新人王を獲得している。田嶋大樹(JR東日本)は西武オリックスの競合となったが、抽選の末にオリックスが獲得した。

【2017年ドラフト12球団1位】
ロッテ 安田尚憲(履正社高/内野手)
ヤクルト 村上宗隆(九州学院高/捕手)
日本ハム 清宮幸太郎(早実/内野手)
中日 鈴木博志(ヤマハ/投手)
オリックス 田嶋大樹(JR東日本/投手)
巨人 鍬原拓也(中大/投手)
楽天 近藤弘樹(岡山商大/投手)
DeNA 東克樹(立命大/投手)
西武 齊藤大将(明大/投手)
阪神 馬場皐輔(仙台大/投手)
ソフトバンク 吉住晴斗(鶴岡東高/投手)
広島 中村奨成(広陵高/捕手)

 2位も逸材ぞろいで、DeNA・神里和毅(日本生命)やソフトバンク・高橋礼(専大)、阪神・高橋遥人(亜大)、ロッテ・藤岡裕大(トヨタ自動車)はチームの中心。3位では巨人の正捕手をつかみつつある大城卓三(NTT西日本)がいる。

 下位では西武4位の平良海馬(八重山商工高)が出世頭か。昨季、リリーバーとして一軍登板を果たし、今季は新人王が視界に入っている。日本ハム7位には東大出身としては史上6人目のプロ野球選手となった宮台康平もいる。

写真=BBM

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