週刊ベースボールONLINE

デーブ大久保コラム

DeNAが2位になった要因は監督の我慢と98年組の存在です【デーブ大久保 さあ、話しましょう!】

 

我慢強く指揮を執ってきた三浦監督。2年目でようやくチームが強くなってきた。その要因は彼を支える98年組コーチ陣のサポートが大きいと思いますね[写真=井田新輔]


 戦力が十分ではない指揮官でありながら、負けても言い訳をせず、選手を批判するような言動も聞こえてきません。愚痴を言えばすぐに周りにその言葉が聞こえてくるのがプロ野球の世界。デーブ調査ではそういうのは聞こえてこないのがDeNA三浦大輔監督です。

 三浦監督は二軍監督の指揮を執った経験がありますので、一軍監督になったときに「こんなにいい戦力がいるのか」と錯覚に陥った可能性があります(笑)。私の経験上そうでしたからね。しかし、ほかの一軍と比較すると……と次第に現状を理解するのです。

 打線はもともと良かったのですが、昨年は外国人入国問題で開幕からつまずきました。これが最後まで尾を引いた形になったと思います。一方で今年は開幕からそれなりの攻撃がしっかりできていますし、細かい部分の攻撃もできています。

 デーブ的にはプロ野球界の中でも屈指の野球観というか、野球を知っているみっちゃんこと青山道雄ヘッドコーチが攻撃を担っている部分がすごく効いていると思います。三浦監督は投手出身ですし、攻撃に関しては任せているのかもしれません。それが逆にいいほうへと向いていると思います。

 それと一番大きな要因はやはりコーチ陣。石井琢朗野手総合コーチ、齋藤隆チーフ投手コーチ、鈴木尚典打撃コーチの3人が今年から加わりました。プロ野球ファンなら分かりますよね……優勝した1998年の主力メンバーです。ここに当時のメンバーの三浦監督がいるわけです。ヘッドコーチのみっちゃんは当時、横浜の一軍外野守備走塁コーチです。

 要するにどういうふうにして98年の優勝へと向かっていったかを知っているメンバーたちで「優勝する」というDNAが体の中に染み込んでいるのです。同じ瞬間を過ごしたコーチ陣が集結することで、そのときの雰囲気を現役の選手たちに伝えられていく。これは本当に大きなことです。巨人西武、そしてソフトバンクが常に強くいられるのも、そういう優勝を経験したコーチ陣がいることがすごく大きいのです。

 それと同時に今季の投手陣は結果を残しています。これは個人的には齋藤投手コーチの存在が大きいと感じています。メジャーを経験しているので「結果」で人を判断しない。だから投手は心の余裕を持ってマウンドに上がれているはずです。

 デーブ的には、強くなるべくしてなった要因がDeNAにはあったと思いますね。しかし今季の優勝はヤクルトでしょうから来季が楽しみなチームになっています。ただ優勝への条件は「外国人に頼らない」こと。ソトやオースティン、エスコバーなどが抜けてもびくともしないチームになること。そして四番の牧(牧秀悟)が143打点(1試合1打点)を挙げるくらいの打者になれば、来季は優勝が見えてくると思います。

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング