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2024ドラフト特集

<2024ドラフト>スカウト布陣から読む12球団補強ポイント【セ・リーグ編】

 

全国津々浦々の逸材に目を光らせているスカウト陣。チームの将来は彼らの手腕に託されていると言っても過言ではない。地道なスカウティング活動を日々行っている2024年シーズンの12球団スカウト布陣をチェックしながら、今年の補強ポイントを探っていこう(表内の新は新任)。


阪神・ダブルチェックで入念な調査


 18年ぶりのリーグ制覇、38年ぶりの日本一は生え抜き選手の活躍があったからこそ、だ。それはアマチュアスカウトのドラフト戦略によるところも大きかった。現場の意見を取り入れながら柔軟に対応し、各年で補強が必要なポジションを的確に獲得した。今年から渡辺亮スカウトがコーチに転身。プロスカウトの岡本洋介がアマでは近畿地域を兼任する。また一人一地域ではなく、複数でダブルチェックを行い、よりチームに合う選手を獲得している。

【2024補強ポイント】ネクスト生え抜きレギュラーを獲得へ

 野手陣に関すれば、現状のレギュラー陣が年齢的にピークを迎えようとしており、3年ほどはその座は揺らがないだろう。その間に、次のレギュラー候補を二軍でつくっていくことが、未来永劫常勝軍団を築き上げることにつながっていく。そのためにも、まずは内野の大砲候補、中堅を守れる俊足好打の高卒選手の獲得が必要となってくる。

■編成&スカウト一覧
氏名[担当地区]=主な担当選手
 ★嶌村聡
 ☆宮脇則昭
 ◎畑山俊二=13[1]藤浪晋太郎(大阪桐蔭高・投)
  熊野輝光[近畿・東海・北信越]=21[4]榮枝裕貴(立命大・捕)
  山本宣史[中四国・近畿]=22[1]森木大智(高知高・投)
  平塚克洋[関東・北信越]=17[1]大山悠輔(白鴎大・内)
  葛西稔[北海道・東北・関東]=18[1]馬場皐輔(仙台大・投)
  吉野誠[関東・東海・北信越]=24[1]下村海翔(青学大・投)
  筒井和也[近畿・東海・北信越]=19[6]湯浅京己(BC/富山・投)
  前田忠節[九州・中国]=24[4]百崎蒼生(東海大熊本星翔高・内)
(新)岡本洋介[近畿担当兼プロスカウト]
★=専務取締役兼球団本部本部長(アマスカウト担当)、☆=球団本部次長(編成ディレクター)、◎=球団本部次長(統括スカウト)

広島・豊富な情報量で“らしさ”維持


 継続は“力”なり。スカウト歴45年以上のキャリアを誇る苑田聡彦スカウト統括部長の下、今年もメンバー、担当地区に変更がないからこそ、引き続き注目選手たちの動向をしっかりと追っていく。ドラフト会議までにどれだけの成長を遂げたのか、時間をかけて見てきたからこそ分かる人となりなど、各担当者による豊富な情報量をもって指名候補者を絞り込み。あらゆる面でチームにフィットする人材を発掘することで、“広島らしさ”を維持する。

【2024補強ポイント】投手陣の整備が叶えば狙うは右の大砲候補

 昨秋のドラフトでは支配下5選手のうち、4選手が大卒投手。彼らを踏まえて投手陣の整備ができれば、今秋は野手獲りにシフトすることになるだろう。やはり、右打ちの大砲候補は狙いたいところ。高校生に関しては秋までの“伸び率”が重要視されるためこれからだが、大学生では早くも大商大・渡部聖弥、青学大・佐々木泰らが候補に。

■編成&スカウト一覧
氏名[担当地区]=主な担当選手
★苑田聡彦=07[3]會澤翼(水戸短大付高・捕)
白武佳久[中国・四国]=18[1]中村奨成(広陵高・捕)
田村恵[全国]=14[1]大瀬良大地(九州共立大・投)
 近藤芳久[北海道・東北]=23[1]斉藤優汰(苫小牧中央高・投)
 高山健一[関東・北信越]=24[1]常廣羽也斗(青学大・投)
 尾形佳紀[関東]=20[1]森下暢仁(明大・投)
 松本有史[東海]=12[2]菊池涼介(中京学院大・内)
 鞘師智也[近畿]=19[1]小園海斗(報徳学園高・内)
 末永真史[九州]=19[2]島内颯太郎(九州共立大・投)
★=スカウト統括部長、☆=スカウト部長、◎=スカウト部課長

DeNA・新体制で手厚さ増す


 注目は新たに新設された独立リーグ担当だ。昨秋のドラフトで総勢23人が指名された部門を手厚くフォロー。担当は昨年、北海道地区だった欠端光則スカウト。また、スカウト部部長は長谷川竜也氏が新任する。グッズ製作やJリーグ、横浜F・マリノスとのコラボなどの仕掛け人としても知られるやり手だけに、期待は高い。昨年、コーチを務めた永池恭男氏、木塚敦志氏、藤田和男氏らチームの現状を知るスカウトの目線も大きな武器となる。

【2024補強ポイント】絶対軸となる遊撃手 20年任せられる逸材を

 チームのセンターラインは自慢の捕手陣、二塁の牧秀悟、センターは桑原将志度会隆輝が争う強力布陣。遊撃にハマる選手がいれば間違いなくチームは強くなる。2023年は京田陽太が最多の62試合先発、大和の47試合、林琢真の21試合と続き、あとはそれぞれ1ケタ台の試合数で3選手が先発していた。今後20年を担える絶対軸が欲しい。

■編成&スカウト一覧
氏名[担当地区]=主な担当選手
  ★進藤達哉
(新)☆長谷川竜也
  ◎八馬幹典=18[1]東克樹(立命大・投)
   横山道哉=24[1]度会隆輝(ENEOS・外)
   欠端光則[独立リーグ]=17[1]濱口遥大(神奈川大・投)
   河野亮[北海道・東北]=24[3]武田陸玖(山形中央高・投・外)
   稲嶺茂夫[関東・東北]=20[1]森敬斗(桐蔭学園高・内)
 (新)永池恭男[東海]
 (新)木塚敦志[北陸]
   吉見祐治[近畿]=23[3]林琢真(駒大・内)
 (新)藤田和男[中国・四国]
   篠原貴行[九州]=24[5]石田裕太郎(中大・投)
★=チーム統括本部本部長補佐(編成担当)、☆=スカウト部部長、◎=スカウト部アマスカウティングディレクター

巨人・現場との情報共有が円滑に


 現役引退後にコーチ業を経てスカウトに就いていた實松一成が再びコーチに就任した。代わりに昨年までユニフォームを着ていた青木高広氏が4年ぶりにスカウトとして復帰。スカウトと現場による課題の共有や意見交換が、より潤滑に行える体制が整った。球団が一体となり、人材の発掘に力を注いでいく。特に實松バッテリーコーチは現役時代から阿部慎之助監督との信頼関係が厚く、スカウトとの橋渡し役としても大きな期待がかかる。

【2024補強ポイント】今季の結果次第だが育成に舵を切る可能性

 ここ数年は現場の声を第一に即戦力の補強に力を入れてきた。毎年の優勝が至上命令の球団だけに今季の結果によって戦略は変わってくるが、今秋のドラフトでは数年後にチームの主力を担える将来性を見越したスケールの大きい高卒選手の獲得に舵を切る可能性も秘める。寮も新設され、育成選手の獲得にもさらに注力していきそうだ。

■編成&スカウト一覧
氏名[担当地区]=主な担当選手
 ★水野雄仁[統括]
 ☆榑松伸介[統括]
 ○柏田貴史[グループ長]=19[1]高橋優貴(八戸学院大・投)
 ○織田淳哉[グループ長]=20[2]太田龍(JR東日本・投)
 ◎武田康[九州・沖縄]=19[6]戸郷翔征(聖心ウルスラ学園高・投)
  森中聖雄[関東・北信越]=24育[4]田上優弥(日大藤沢高・内)
(新)大場豊千[関東]
  木佐貫洋[関東・東海]=19[3]直江大輔(松商学園高・投)
(新)青木高広[北海道・関東]
  円谷英俊[東北]=24[1]西舘勇陽(中大・投)
  岸敬祐[近畿・中国・四国]=22[1]翁田大勢(関西国際大・投)
(新)亡椽[近畿・中国]
★=スカウト部長、☆=スカウト部次長、◎=スカウト部課長、○=スカウト部主任

ヤクルト・プロ未経験が異例の抜てき


 ドライチ新人・西舘昂汰を担当するなど8年間スカウトを務めた中西親志氏が退任し、寮長へ就任した。そして新たに加入したのがプロ未経験の余田雄飛氏だ。余田スカウトは高校まで選手としてプレー。専門学校、大学を経て民間会社のパフォーマンスコーチとしてパーソナルトレーニングの指導、ENEOS野球部のチームトレーナーを務めるなどしてきた。プロ未経験がスカウト部門に所属するのは球団初。新しい風を取り入れ、金の卵の発掘に力を注いでいく。

【2024補強ポイント】山田、村上に続く逸材野手の獲得へ

 長年の課題の投手陣を補強すべく、即戦力投手を上位指名する傾向が見られるが、今年に関しては野手が最優先事項。村上宗隆は来季オフのメジャー挑戦が濃厚で、山田哲人はベテランの域に入ったこともあり、次なる野手の柱の発掘が求められる。争奪戦確実の宗山塁(明大・遊撃手)を中心に調査をしていくことになるだろう。

■編成&スカウト一覧
氏名[担当地区]=主な担当選手
 ★小川淳司
 ☆伊東昭光
 ◎橿渕聡=22[1]山下輝(法大・投)
  吉田大成[北海道・東北・関東]=24[3]石原勇輝(明大・投)
  斉藤宜之[東北・関東]=13[2]小川泰弘(創価大・投)
  丸山泰嗣[関東・北信越]=20[5]長岡秀樹(八千代松陰高・内)
(新)余田雄飛[東海]
  阿部健太[関西]=20[1]奥川恭伸(星稜高・投)
  押尾健一[中国・四国]=22[4]小森航大郎(宇部工高・内)
  松田慎司[九州]=18[1]村上宗隆(九州学院高・内)
★=ゼネラルマネージャー、☆=編成部部長、◎=スカウトグループデスク

中日・布陣継続で逸材をチェック


 スタッフの顔ぶれは昨年とほぼ変わらず、現役を引退したばかりの岡野祐一郎が加わって1人増員となった。高校、大学、社会人と強豪チームに在籍してきた経験とパイプを故郷でもある東北地区で生かす。役職も同じだが、米村明シニアディレクターが関西地区も担当することに。現場のトップでもある立浪和義監督との連携も強めながら、各地区の担当が逸材たちを継続的に見ていく。低迷期からの脱出のためには新人選手の獲得が何よりも重要だ。

【2024補強ポイント】二遊間強化は継続? シーズン成績が反映か

 今年のポイントは目玉の最強遊撃手・宗山塁(明大)を1位で指名するかどうかだ。この2年のドラフトは大学生の即戦力右腕を1位で獲得しつつ、一方で二遊間の強化に力を入れてきた。今季も二遊間が固定できないようなら宗山の1位指名は濃厚。投手なら即戦力左腕が欲しいが、今年は例年以上にシーズンの結果で戦略が変わってきそうだ。

■編成&スカウト一覧
氏名[担当地区]=主な担当選手
 ★松永幸男
 ☆音重鎮
 ◎米村明[関西]=19[1]根尾昂(大阪桐蔭高・投)
  八木智哉[北海道・東北]=23[2]村松開人(明大・内)
(新)岡野祐一郎[東北]
  正津英志[関東・北信越]=22[1]ブライト健太(上武大・外)
  小山良男[関東]=24[2]津田啓史(三菱重工East・内)
  清水昭信[東海]=21[1]高橋宏斗(中京大中京高・投)
  山本将道[関西]=23[7]福永裕基(日本新薬・内)
  野本圭[中四国]=21[6]三好大倫(JFE西日本・外)
  三瀬幸司[九州]=23[1]仲地礼亜(沖縄大・投)
★=スカウト部長、◎=シニアディレクター、☆=チーフスカウト

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