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裏方が見たジャイアンツ

香坂英典コラム 第3回 松井秀喜と「ジャイアンツ時間」

 

93年巨人に入団した松井秀喜は、野球選手として人間として、1年1年、着実に成長していった選手。唯一の欠点は……


「長嶋茂雄」は見本じゃない?


 プロ野球球団における現場の広報の仕事はどういうものか──。

 一般企業の広報にかかわる方々の仕事は、広く世間にその企業を知ってもらい、その魅力や価値を大きく知らしめることに注力されている。

 しかし、巨人軍はプロ野球界でも特別な球団であり、その創成期から数々の有名選手や球団の諸先輩方がフロント、チーム一体となって築き上げてきた、球界の盟主とも言われる輝かしい歴史と伝統がある球団だ。常に注目され、多くのファンの皆さまからは勝利へのあくなき挑戦、成果が求められる。そして、多くのファンの方々に応援されているチームだけに、こちらから取材に来てくださいとお願いしなくても、メディアのほうから来てくれる。

 巨人軍を取材するために集まる報道関係者の数は、巨人軍担当者だけでも通信社、一般紙、スポーツ紙、ラジオ、テレビ、雑誌各社を合わせて通常でも60名くらいの数になり(キャンプになると、さらに増える)、僕たち現場の広報担当者は、常時、そのたくさんの報道関係者を相手に現場を仕切っていくことになる。

 ありがたいことであるが、その対応をしっかり行わないとチーム運営の流れに支障をきたしてしまうので、交通整理をしなければならない。気を遣うところもありながら、選手の魅力を知ってもらうためにPRもしていくのだが、選手は積極的に自分をPRしようとする選手がいれば、人前に出るのは苦手という選手もおり、マスコミ嫌いという選手もいる。常日ごろから近くで選手に接し、選手のインタビューなどを見ていても、個々の選手がどんな人間なのかがよく見えてくるものである。

 僕が選手の中で特別なスター性を持っていたと思うのが、ゴジラこと、松井秀喜だ。入団時は当然そういった雰囲気はあまり感じなかったが、接していくうちに驚いたのは・・・

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裏方が見たジャイアンツ

裏方が見たジャイアンツ

ジャイアンツ一筋41年。元巨人軍広報による回想録!

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