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石田雄太の閃球眼

石田雄太コラム「強豪私学のプライドと公立校の捨て身」

 

2012年の春夏連覇に貢献した大阪桐蔭高・藤浪[手前は森]


 1985年、1998年、2006年――野球好きがこの並びを眺めれば、それぞれに共通する、あるワードが浮かんでくるのではないだろうか。

 21年ぶり、38年ぶり、25年ぶりと答えた野球好きには「参った」と言わせてもらおう。確かに1985年のタイガース、1998年のベイスターズ、2006年のファイターズは久々のリーグ優勝を果たし、そのまま日本一まで駆け上がったのだが、ここでは「桑田、松坂、斎藤」と答えてほしかった。1985年にPL学園高の桑田真澄が、1998年は横浜高の松坂大輔が、2006年には早実の斎藤佑樹がそれぞれ夏の甲子園で優勝投手となり、プロで背番号18を託されている。そんな答えを期待したのは今回、夏の甲子園の優勝投手にまつわる話を綴(つづ)ってみたいと思ったからだ。

 夏の甲子園の優勝投手(背番号1)で今もNPBの現役として投げているのは、大阪桐蔭高の藤浪晋太郎(タイガース)、前橋育英高の高橋光成(ライオンズ)、東海大相模高の小笠原慎之介(ドラゴンズ)、作新学院高の今井達也(ライオンズ)、花咲徳栄高の清水達也(ドラゴンズ)、大阪桐蔭高の柿木蓮(ファイターズ)の6人。ちなみに駒大苫小牧高の田中将大が優勝したのは高2の夏で背番号は11、甲子園で優勝を経験した東海大相模高の吉田凌、大阪桐蔭高の澤田圭佑根尾昂横川凱らも背番号1ではなかった。

 高校野球の夏の大会は一つ負けたらすべてが終わるトーナメントで行われる。その方式に賛否両論あることは承知しているが・・・

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石田雄太の閃球眼

石田雄太の閃球眼

ベースボールライター。1964年生まれ。名古屋市立菊里高等学校、青山学院大卒。NHKディレクターを経て独立。フリーランスの野球記者として綴った著書に『イチロー・インタビューズ激闘の軌跡2000-2019』『大谷翔平 野球翔年』『平成野球30年の30人』などがある。

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