週刊ベースボールONLINE

NEW WAVE INTERVIEW 新時代の主役たち

ソフトバンク・大津亮介インタビュー “いろいろ”を駆使して「もっと長いイニングを。投げれば投げるほど味が出る」

 

新たに就任した小久保裕紀監督の下で、2年目にしてチャンスが巡ってきた。自身も望んでいた先発転向に、うれしさとともにあふれ出る気合。もちろん、簡単なことではないことは分かっている。それでも一つずつ、段階を踏んで地位を築いていく。
取材・構成=菅原梨恵 写真=湯浅芳昭、BBM


先発は自らの“タイプ”


 昨季、チームの先発防御率はリーグ5位の3.63だった。2ケタ勝利は有原航平ただ一人で、規定投球回到達者はゼロ。それがV逸の一つの原因に挙げられたのも、無理はない。しかも、新シーズンに向けて十分な補強があったかというと……。となると、チーム内で“救世主”を探すほかない。L.モイネロとともにリリーフから先発に挑戦する大津亮介は、ルーキーイヤー以上の期待感を漂わせる。

――ルーキーイヤーの昨季はリリーフで46試合に登板しました。

大津 本当に数多く投げさせてもらいました。今までにない経験ばかり。あっと言う間に終わった1年でしたね。

――2年目の今季は一転、先発で勝負をします。先発転向の経緯というのは?

大津 もともと、僕自身は先発をやりたいという思いがあったんです。そんな中で、昨季が終わってからチームがPayPayドームに集まるタイミングで小久保(小久保裕紀)監督にあいさつに行ったときに「来年(2024年)は先発で」というふうに言っていただいて。「だから、オフシーズンは先発に向けての調整をやってきてほしい」と。そこで明確になりました。もう、うれしかったですね。やっぱり、できるだけ早くやりたいと思っていたので。

――1年目から40試合以上に投げて、自分なりにリリーフのやりがいみたいなところも感じていたと思います。それでも先発が良かったわけですね。大津投手にとって先発の魅力というのは、どんなところにあるのでしょうか。

大津 何ていうか、“タイプ”だと思うんですよね。1イニングを全力でいくよりも、もっと長いイニングを投げて。投げれば投げるほど味が出ると思うんです。

――先発をするにあたって、オフシーズンはどんなことを意識して、どんなことに取り組んできたのでしょうか。

大津 一番に、まずは持久力、体力を上げることをメインにやってきました。中継ぎの場合は1イニング出し切りだった。なので、トレーニングメニューなども結構、変わってきて。例えば、ジャンプ系のトレーニングにしても、一番高く一発飛ぶのではなくて、8割ぐらいの力で長く、セット数を多く飛ぶように。

――体力というところでは、昨年プロ1年目を経験して、やはりアマチュア時代と違って試合に出続けることの厳しさなども感じたことでしょう。リリーフならなおのこと毎日、試合に向けた準備をしなければいけないので、大変だったのではないですか。

大津 いやもう、めちゃくちゃキツかったです。しかも、昨年は本当に、投げて抑えることだけしか考えられなかったので。でも、昨年の経験があったからこそ、先発になるにしても必要なことだったりというのは分かってはきている。というのも、昨年、中継ぎをやりながらも先発の過ごし方などが気になっていたんですよね。だから、それをいろいろと参考にしながら。

――チームメートに聞いたり、というところもあったのでしょうか。

大津 聞いたりしていましたね。それを、昨年の段階からある程度、自分の中で決めていて。いつでもやれるように、というのは、昨年から考えていました。気にしていたというか、気に“なっちゃう”んですよね。普段から、どうやって過ごしているんだろう、って。

――それこそ先発転向が決まったあとは、登板日に向けての調整方法など実際にいろいろと試したいことも多いのでは?

大津 ですね。だから、オフシーズンからやってはいたんですけど。この日は何のトレーニングをしよう、とか。中継ぎのときは全然、そういう考え方ができていなかった。毎日、何をしたらいいか、様子をうかがいながらやっていたんです。でも、先発になると決まってからは何か、スケジュールというものに対する意識が、自分の中ですごく強くなりましたね。今日は○○をして、明日は●●をやって、というように。キャンプ期間中も、もちろん決めてやっていました。

――順調に来ていますか・・・

この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。

まずは体験!登録後7日間無料

登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。

若手インタビュー

若手インタビュー

ニューフェースにスポットを当てる連載インタビュー。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング