スクイズしないブレイザー
12月11日に野村(
野村克也)さんの「しのぶ会」が神宮であるらしいね。俺はお焼香だけして、すっと帰ってくるつもりだけど、ずいぶん、いろんな人が来るんだろうな。南海、
ロッテ、
西武が現役で、
ヤクルト、
阪神、
楽天が監督でしょ。6つの球団の関係者や名球会、息子のカツノリ(
野村克則)の仲間も来るだろうしね。政界や財界、芸能界にも付き合いがあっただろうから、とんでもない人数になりそうだな。
前にも話したけど、野村さんは南海時代の守備隊形と攻撃はほとんどヘッドコーチのブレイザーに任せていた。南海でもプレーしたメジャーの名内野手で、俺たちは「ダンさん」と呼んでいたんだけど、この人の野球がすごく細かいんだ。いわゆる「シンキングベースボール」ね。でも、気難しい人じゃなかったよ。
市原稔さんという通訳がおられたけど、お互い片言で、結構、くだらんことも話していた。
ただ、いくら頼んでも、スクイズはほとんどやってくれなかったな。俺は7回とか8回から投げることが多いけど、1点差のリードと2点差のリードは大きな違いでしょ。こっちも、いつもいつも調子がいいわけじゃないから、1点差で無死か一死三塁とかになると、「スクイズ、スクイズ」と相手に分からんように、ジェスチャーでダンさんに伝えたけど、絶対にやってくれない。聞くと「大丈夫、大丈夫。2人いれば、どっちかが外野フライくらい打つよ」って。そうなってくれたらいいけど、なかなかそうはいかないから頼んでいたんだけどね(笑)。
別にバントが嫌いというわけじゃなく、送りバントはしてくれたし、ダンさん自身がめちゃうまいんだ。74年まではパもDHがなかったからキャンプでピッチャーが順番にバントの練習をするでしょ。そのときやってきて・・・
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