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REAL VOICE 2024への情熱

巨人・中川皓太インタビュー リリーバーの矜持「張り切り過ぎない。あまり欲張らずに、自分のできることに集中する」

 

紆余曲折を経て、己を乗り越え、新たなシーズンへ挑む男たちの声を届けていく新連載。第1回は2022年に全休を余儀なくされながら、鮮やかな復活を遂げたジャイアンツのリリーフエース。日本一への思いを胸に、今季もひたすらに腕を振る。
取材・文=杉浦多夢 写真=桜井ひとし、BBM


再びつかみ取った信頼


 2月24日に30歳を迎えるプロ9年目の春季キャンプで、いつもと変わらぬ柔らかな表情のまま黙々と汗を流す背番号『41』。だが、ちょうど1年前のキャンプでは『41』の前に『0』が付いた3ケタ番号を背負い、大きな不安の中にあった。2022年は実戦で投げることができないまま過ぎ去り、ようやく投球ができるようになっても気持ちは晴れない。

「ただ復帰しても、自分のパフォーマンスを出せるまでは正直、ホッとすることはなかった。単純に投げられるようになるだけではまだまだという感じが自分の中ではあったし、パフォーマンス的にも、体の負担を考えても、ちゃんとやっていけるのかなって」

 昨年5月15日に支配下へ復帰。そこから一気に霧が晴れていった。

「一軍の舞台に行ったことで、気持ちも引き締まった。自分の体は、自分で守っていかないといけないという気持ちは、より強く、すごく強くなりました」

 23年は鮮やかな復活のシーズンだった。44試合に登板して14セーブ17ホールド、防御率2.08。抑えの大勢が故障で離脱したときには守護神の座も任された。21年まで得ていたベンチからの信頼を、自らの力で再びつかみ取った。

「復帰してから自分でもこんなにちゃんと投げられるとは正直、思っていなかったので。一番は最後まで、またケガすることなくシーズンを最後まで完走できたこと。安心したというか、うれしかった。ケガをしないということを前提に、大勢がいなくなったり、いろいろなことがあったりした中でも・・・

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新シーズンに巻き返しを期す男たちの声を届けるインタビュー連載。

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