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2023プロ野球総決算号

<2023BREAKERS>覚醒した男たち 2023年にブレークを果たした12選手

 

いったい誰が、これほどの活躍を予想できただろう。ある程度の期待はあったものの、それを大きく上回った。持っている力を一気に爆発させ、存在感を示したシーズン。2023年にブレークを果たした12選手を紹介する。
写真=BBM
※年目はプロ年数(育成期間は含まず)、年齢は2023年満年齢

阪神村上頌樹 リーグMVPまで駆け上がった右腕

村上頌樹[阪神/3年目/25歳]
【2023成績】22試合10勝6敗、0S1H、防1.75


2人で22勝をマーク 日本一に貢献度大


 阪神の18年ぶり6度目のリーグ優勝、38年ぶり2度目の日本一は、この2人の投手なくしては語れないだろう。プロ3年目の村上頌樹と6年目の大竹耕太郎だ。

 村上はリーグMVPに新人王、最優秀防御率のタイトルも獲得したが、1年前は二軍でくすぶっていた。ルーキーイヤーの2021年にウエスタン・リーグ最多勝の10勝を挙げて1敗のみ。2年目の昨季は7勝3敗。無双状態だったが、一軍では1年目に2試合先発登板し防御率16.88と結果を残せなかった。

 昨オフにエース・青柳晃洋から声を掛けられて自主トレに参加。「素晴らしい投手なのに一軍でなぜか活躍できない……考え方なのかな」と青柳は村上の精神面に目を向けて誘ったのだ。効果は絶大で中継ぎとして開幕一軍入りを果たした。そして4月12日の巨人戦(東京ドーム)で先発のチャンスをつかみ、勝敗こそつかなかったが7回を完全投球。同22日の中日戦(バンテリン)で初完封初勝利を果たすと、そこからは先発の柱の一人として、負けない投球を展開。先発ローテをつかんでからは西勇輝にアドバイスをもらうなど、1年間ローテを守り続け、3年目にして大ブレークを遂げた。

阪神・大竹耕太郎 現役ドラフトの申し子

大竹耕太郎[阪神/6年目/28歳]
【2023成績】21試合12勝2敗、0S0H、防2.26


 一方の大竹は、言葉数は多くないが、絶対に成績を残すという気迫がキャンプのときから伝わってきた。各野球解説者がブルペンを視察し、絶賛した。22年オフからスタートした現役ドラフトでソフトバンクから移籍。ソフトバンクの和田毅から「マイナスと捉えるかプラスと捉えるかで全然変わってくる」とエールで送り出された。

 春季キャンプからオープン戦にかけて、阪神で実績を残した投手にさまざまな質問を投げかけた。そこからマウンドでポジティブになることを意識するようになり、先発ローテをつかんだ。開幕から6連勝を飾り、阪神の快進撃の中心で投げ続けた。終わってみれば12勝2敗。一人で10もの貯金をつくった。現役ドラフトの申し子は、紛れもない優勝の立役者の一人だった。

3連覇を支えた3人の力強い右腕


 パ・リーグ3連覇の偉業を成し遂げたオリックス。質、量ともに厚みのある投手陣から、今年もまた新しい力が飛び出した。

 まずは・・・

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