文・大内隆雄 道元の大著、『正法眼蔵』に目を通した読者もおられると思うが、禅の世界を知るだけでなく「人間とは何か?」を深く考えさせてくれるこの書は、故・芦屋雁之助のキメゼリフではないが「ものすごいこと言わはる!」の連続なのだ。 たとえば、こんなのはどうか。「われもし恩愛をなげすてずば、恩愛かえりて…