今年のパ・リーグは大谷翔平が原動力となり、2016年覇者に輝いた日本ハムと戦力が充実しているソフトバンクとの2強が予想されるが、他チームも負けてはいられない。伊東勤監督の熟練のタクトが冴えるロッテ、辻発彦新監督の下で浮上を狙う西武、岸孝之らの加入でチーム力がアップした楽天、さらに“激怒”でチームにカツを入れる福良淳一監督率いるオリックス。必ずや、エキサイトするシーズンとなる! その他の球団もチェック ●パ・リーグ編 日本ハム・ソフトバンク・ロッテ・西武・楽天・オリックス ●セ・リーグ編 広島・巨人・DeNA・阪神・ヤクルト・中日 写真=BBM 開幕時の戦力充実度
投手力 7.5点 守備力 6点 攻撃力 7点 機動力 6点 選手層 6点 合計 32.5点(パ・リーグ6位) ※各10点満点で評価(合計50点満点)
優勝への3箇条
(1) “先発3本柱”のフル稼働 (2) 長打に頼らぬ厚みある打線形成 (3) 四番と捕手。攻守の要の固定 開幕マスクが濃厚の若月が、正捕手となるか
投手&守備力
豊富な布陣で投手陣再建のメドが立っている。先発は
金子千尋、
西勇輝、
ディクソンの“3本柱”が今年も健在。そこに
松葉貴大、新助っ人・コークの両左腕がオープン戦で安定した投球を見せ、先発ローテ入りが濃厚に。
山崎福也も持ち味のカーブに加え、直球のキレが増しており、近年課題だった左腕の不足は解消しつつある。ルーキーの
山岡泰輔、2年目の
近藤大亮らも台頭し、先発ローテ争いが激化。とはいえ、実績不足は否めず、シーズンを通しての活躍ができるかは未知数。それだけに“3本柱”のフル稼働は不可欠だ。
救援陣も盤石。昨季終盤に
塚原頌平-
吉田一将-
平野佳寿の方程式が確立しつつあり、
佐藤達也、
比嘉幹貴らも控え、コマがそろう。問題は守備面。3月18日までのオープン戦9試合で6失策と、精彩を欠く。
伊藤光が三塁に挑戦中で、
若月健矢が正捕手となる可能性が高いが、オープン戦は流動的な布陣が続いている。豊富な起用法は多彩なオーダーを可能にするメリットもあるが、それ以前に堅守を確立したい。バックがしっかり投手陣を盛り立てられるかが大きなポイントになりそうだ。
攻撃力&機動力
巧打者、中長距離砲がバランス良く並ぶ。
西野真弘、
安達了一の巧打の一、二番コンビがチャンスメークし、期待の2年目・
吉田正尚に新助っ人の
ロメロ、主砲の
T-岡田のクリーンアップに六番には
中島宏之と、気の抜けない打線に。加えて、下位にも
小谷野栄一、駿太と小技も効く打者が控え、どこからでも得点を奪えるオーダーを組めそうだ。
とはいえ、若手も多く顔をそろえ“経験不足”が不安材料。全試合出場の経験を持つのは、中島、小谷野の両ベテランと安達の3人のみ。さらに安達は潰瘍性大腸炎でフル出場できるかは未知数だ。若い力の“勢い”任せでは長いシーズンを戦い抜くのは厳しくなる。
だからこそ、今春キャンプでは、状況に応じたケース打撃を多く取り入れ、チーム打撃を徹底してきた。さらに盗塁やエンドランなど“足”を絡めた攻撃も。3月5日の日本代表とのWBC壮行試合では、初回に西野、安達が盗塁で侍戦士を揺さぶり2点を奪取。足を絡めて果敢に次塁を狙い、指揮官が掲げる“スキのない野球”へ、長打に頼らぬ攻撃を展開できるかがカギとなりそうだ。
選手起用&戦術
ポイントとなりうるポジションが2つある。1つは“捕手”だ。昨季まで金子の登板時は伊藤がマスクをかぶるも、今季のオープン戦では若月がかぶり、3月18日の
中日戦[ナゴヤドーム]で5回6安打無失点の好投を演出。開幕マスクが濃厚となり、捕手は若月で固定となりそうだ。一方の伊藤は・・・
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